甲州道中 53 指月庵から下諏訪宿まで
2011 / 03 / 14 ( Mon ) いよいよ、ゴールの下諏訪まであと4キロ半。時間に余裕があるので、あたりを見ながらゆっくり歩くことにした。
指月庵の先で街道は大きく左にカーブし、しばらく歩くと右手に白山社の石碑、その先には先宮神社がある。このあたりは大和(おわ)の里というらしい。 見ていると家々に温泉のタンクがあるところが多い。タンクの形も様々で古いのも新しいのもある。この地区は個人も温泉の権利を持てるのだろう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() このあたりは湖岸からだいぶ高いが、道はゆるやかなカーブがあるもののほぼ湖岸に並行している。街道の両側は落ち着いた住宅が続いている。 やがて道の左手に「甲州街道」の碑と大ケヤキがある。裏側を見るとケヤキの芯はすでに朽ちていて、外側だけが残っている。かたわらには道祖神た祀られている。先宮神社にも大きなケヤキがあったので、このあたりは昔ケヤキが多かったのかも知れない。 大ケヤキから100メートルほど行くと右手に寿量院がある。茅葺の風情のある本堂があり、境内からは諏訪湖が眺められる。 やがて諏訪市から下諏訪町にさしかかる手前にサンリツの駐車場があり、ちょうど何故か御柱がドーンと置いてあった。昨日歩いた上諏訪の諏訪大社の地区ではどこでも御柱が終わった打ち上げをしていたが、ここは下諏訪の地区なので御柱の日程がずれているのだろう。 ![]() 下諏訪町に入ると道が大きくカーブし、左手、諏訪湖方向が棚田となって眺望が開ける。 下諏訪町に入ってから400メートル余り行くと左手にひときわ立派な橋本屋が往時の佇まいを見せている。ここはかって茶屋だったとは言っても立派な鏝細工の蔵もあり、湖の眺望も素晴らしく格式のある建物が今も残っている。ちょうどイベントを開催中だったので、コーヒーを飲んで一休み。あと少しでゴールだと思うとのんびりしてしまう。 ![]() ほんの少し脇道に入ると左手に立派な茅葺の生家があった。庭の松もよく手入れされていて素晴らしい。昨日歩いた富士見町の富士見公園はやはり俳人の伊藤左千夫の設計で、園内には赤彦の句碑もあったことを思い出し、当時このあたりも俳句のひとつの中心地だったのだろうと思った。江戸時代でも芭蕉や頼山陽などの記録を見ると地理的にも広範囲に交友関係を持ち、頻繁に手紙などをやりとりしている。今日から見ると鉄道にしても時間がかかって不便ではないか、とついつい思ってしまうが、明治・大正となると益々広い地域での交友関係がごく普通だったのだろう。 ![]() さて、街道はゆるやかな下りになり、ちいさな点滅信号の辻を過ぎるとまたカーブする。このカーブのところを石投場といい、昔は湖面がすぐ近くまで迫っていて、ここから石を投げたという。ここには明治天皇駐輦碑がある。左下に諏訪湖博物館・赤彦記念館が見える。また、街道がカーブしてやや上りになって500メートル余り進むと富部(とんべ)一里塚趾がある。いよいよ、残り僅か。しょうわ橋という古びた端を渡るとこの「承和橋」の由来を記した板があり、承和地蔵尊が祀られている。 街道が右手に大きくカーブすると諏訪大社下社秋宮に到着!ここは中山道を歩いた時にも立ち寄っている。鳥居で遥拝して、そのまま角を曲がって番所趾をまた曲がり、ついに中山道との合流点に到着した。 楽しかった甲州道中も遂にゴール!! 今も繁華で開けている東海道、昔の風情を残す努力をしている中山道とは違い、甲州道中はありのまま、田舎の雰囲気も残しつつ、街道の風情を残そうという人工的な手が入っていない良さがあった。ただ、それだけに往時の雰囲気を伝える建造物は少なかったが、ガイドブックにも出ていない古道を案内してくれたり、畑の人参をくれたり、お漬物の漬け方を教えてくれたり、街道で出会った人々が温かでとても楽しかった。 街道歩き、万歳! スポンサーサイト
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--お願い--
甲州街道を歩きたくて街道地図を探しているものです。 書物を購入したり、ブログを探したりしていて、あなた様のブログを見つけました。 是非とも、あなた様の街道地図を参考にさせていただきたいのですが、甲州道中32以降が見当たりません。 甲州道中32以降の予定についてぜひ教えてください。願わくば、32以降も作成していただきUPしていただけないでしょうか。
by: kitarou * 2014/02/11 12:48 * URL [ 編集] | page top↑
--Re: お願い--
kitarouさま メールありがとうございます。大変申し訳ありませんが、地図の作成を断念いたしました。 資料はありますが、5年前に歩いた時のものですので、もう作成いたしません。 もう少しでゴールですので、がんばってください。 その後、日光道中、奥州街道を歩き、また、4月からは塩の道(松本ー糸魚川)を予定しています。 ただ、どれもアップしない方針です。 申し訳ありませんが、ガイドブックをご参照してお歩きください。 今まで地図をご利用いただき、ありがとうございました。 --承認待ちコメント--
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